新型フォレスター「X-BREAK」に長距離試乗!クラス随一といっても過言ではない素晴らしいSUVだった

それでは今週もさっそく「おすすめSUVのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう! ……と思ったのですが、注目のニューカマーである新型スバル フォレスターの長距離試乗をする機会に恵まれましたので、今回はそちらのインプレッションをお届けしたいと思います。

新型フォレスターX-BREAKは291万6000円

新型フォレスターといえば気になるのがe-BOXER搭載の「Advance」というグレードですが、今回試乗できたのは残念ながらそれではなく、普通の2.5L直噴エンジンを搭載する「X-BREAK」。しかしそれが期待以上の……といっては失礼かもしれませんが、本当に素晴らしい、クラス随一といってもたぶん過言ではない素晴らしいSUVだったのです。

まずは新型フォレスターに関する簡単なおさらいから。新型フォレスターのグレード展開は、さしあたって下記のとおりです。

●Touring|280万8000円(2.5Lガソリンのベースグレード)
●Premium|302万4000円(2.5Lガソリンの上級グレード)
●X-BREAK|291万6000円(2.5Lガソリンのスポーティグレード)
●Advance|309万9600円(「e-BOXER」搭載グレード)

で、今回試乗したのは前述のとおりX-BREAKで、このグレードは内外装の各所にオレンジ色のアクセントが入っており、シート表皮やカーゴフロアボードは撥水タイプ。そしてタイヤは17インチのオールシーズンタイヤとなります。

290万円級なのに500万~600万円級SUVに匹敵?

こちらを恵比寿のSUBARU本社から借り出し、愛知県名古屋市まで一気に走ってみたのですが……素晴らしすぎるSUVでした。や、走ったのは市街地と高速道路だけでしたので、悪路や雪道での挙動は知りません。そして「とにかく名古屋まで急いで行く」というのが当日の主なミッションであったため、居住性や積載性についてもほとんどチェックできていません。

しかしこと「走り」に関しては、圧倒的に素晴らしかったのです。

まずは何と言ってもSGP(スバルグローバルプラットフォーム)の採用が効いています。

先代のフォレスターは、もちろん悪いクルマではありませんでしたが、個人的な感想としては「まあまあ」程度のSUVだと感じていました。あ、これは悪路ではなく舗装路を走らせた際の印象ですよ。悪路や雪道ではもちろん先代フォレスターは素晴らしい働きをしたのですが、一般的な舗装路で普通に走らせる限りには「まあまあレベル」だったのです(※個人の感想です)。フルモデルチェンジ直前にもちょうど先代のX-BREAKに乗る機会があったのですが、やはり印象は「まあまあ普通ぐらい」といった感じでした。

しかしSGPの採用により、フォレスターは完全に変わりました。

国道などを普通のペースで走る際も、そして高速道路をそれなりのペースで快走する際も、上屋は常にフラットで、前後のGや路面のデコボコは足回りが見事に吸収しまくります。そのため、ドライバーが握るステアリングはいつだってピタリと正確……というSUVの理想像、いや「自動車の理想像」みたいな世界を、運転者は常に堪能できるのです。

わたくしはSGPを採用した現行スバルXVを自家用車として使っていますので、新型フォレスターもSGP採用により「かなり良くなるだろう」とは予想していました。が、ここまで劇的に良くなるとは正直思っていませんでした。いやSGP,恐るべしですよ!

新型フォレスターX-BREAKは前述のとおり車両価格291万6000円のクルマですが、わたくしの経験から言わせていただくと「500万円か600万円級の欧州製SUV」と比べても、乗り味の上質さに関してはほぼ遜色ありません。それゆえ、たぶんですが「走りの質感はクラス随一」と言っても間違いではないはずです。

「アイサイト・ツーリングアシスト」はマジで使える!

アイサイトのアップデートも特筆モノです。

新型フォレスターはアイサイトの最新バージョンである「アイサイト・ツーリングアシスト」を採用したわけですが、これは「車線中央維持制御の機能がさらに向上した」とのこと。最大位置偏差が0.18mから0.10mになったという話ですが、ややこしいことはさておき(すみません)、アイサイトver.3を採用している2017年型XVのオーナーとしては、その制御の差をリアルに感じます。「車線の中央を維持しよう」というアイサイトの意志をXVよりも強く感じ、最初はそれに少々の違和感も覚えたのですが、すぐに慣れました。そして「こっちのほうがたぶん安全だろうな」と思った次第です。

そしてアイサイトver.3と違ってアイサイトツーリングアシストは、全車速追従機能付クルーズコントロールの車速を最高で「135km/h」まで設定することができます。ここについても、114lkm/hまでしか設定できないver.3以上の「現実的な使い勝手の良さ」を大いに感じた次第です。自分のXVも、ソフトの更新か何かで「ツーリングアシスト」にできないものでしょうか? できないのでしょうね。残念です。

2.5Lエンジンがあればもうターボはいらない?

そして2.5Lの直噴ノンターボ水平対向エンジンも、本当に素晴らしい出来でした。

新型フォレスターに関して自動車評論家が書いている文章を読みますと、「フォレスターといえば歴代の強力なターボエンジンが魅力なのであり、それがなくなってしまったのは大いに残念だ」みたいな話をしばしば目にします。

まぁこのあたりの感じ方や考え方は個人差が大きいので一概には言えませんが、筆者個人としては「ターボエンジン」を懐かしがる必要なんていっさいないと感じましたね。それほどこの2.5Lエンジンは十分にトルクフルかつパワフルであり、フォレスターというSUVのキャラにも合っています。

2.5Lならではの排気量的余裕がもたらす「ぶっといトルク」と「スポーティな吹け上がり」が見事に両立しているため、「これこそがSUV=スポーツ・ユーテリティ・ヴィークルってもんだろ!」と自然に思えてくるのです。いい感じです。

ついでに言えば、聞いたときは「……どうなんだろう?」とちょい不安に感じたオールシーズンタイヤも、結論を言えば何の問題もありませんでした。いや問題ないというよりも、むしろ「なかなか素晴らしいのではないか?」と感じたぐらいです。舗装路における乗り心地と静粛性、グリップ感、直進性はすべて良好でしたから。

ただし燃費だけは優等生にあらず

このように素晴らしいSUVである新型フォレスターのX-BREAKは、冒頭で申し上げたとおり車両価格291万6000円というなかなかのお手頃価格。……これはもう強烈な商品力を備えている一台です。

ただ、燃費はやはり良好とまでは言えませんね。東京~名古屋間を往復して、計器によれば当日の燃費は10.5km/L。このあたりが惜しいところですが、個人的には走りの良さに免じて完全に許したいとは思っています!

それではまた来週、こちらのコーナーでまたお会いしましょう。

[ライター/伊達軍曹]