伊達軍曹のここだけSUV談義 第14弾。今の時代になって初めて気づいた、スバルのSUVの「本質的魅力」とは?

つい先ほど、いわゆる「スバル女子」にインタビューする仕事を行ってきた。インタビュー内容については別媒体に掲載するためここでは触れないが、筆者は取材対象である女性に「ところで、なぜあなたはそんなにスバル車が好きなんですか?」という意味の質問をした。

それについては「なるほど!」と納得できる回答が得られたわけだが、同時に「自問」もするべきだと思った。

それまでは「輸入中古車評論家」なる看板を抱えた欧州車党であった自分は、なぜ、2年ほど前に現行型スバルXVというSUVを購入した途端、スバルの車やSUBARUという自動車メーカーが大好きになってしまったのだろうか?

さまざまな理由があるはずだが、煎じ詰めて言うならば「年をとったから」ということなのだと思う。

モンペ姿の女性のように(?)ビジュアルはダサいのだが

以下、SUV談義というよりはスバル談義になってしまうことを、まずはお詫び申し上げる。

で、筆者が思うスバル車の魅力だが、それは「ビジュアル的にはかなり地味な、しかしよくよく観察すると内面等々の本質部分にウルトラ素晴らしい魅力を備えている女性」に近いのではないかと考えている。

10代や20代、あるいは30代前半ぐらいまでの比較的若い男というのは、どうしたって上記のような女性よりは「派手でわかりやすい顔立ちやボディ」を備えた女性に興味がいきがちだ。SUVに当てはめるなら「トヨタC-HRみたいなデザイン」と言えばいいだろうか。

だがスバルの車には、C-HRのような、あるいは80年代に流行った「ボディコン」の女性のようなわかりやすい造形的魅力はほとんどない。

や、ほとんどないどころか「むしろダサい」と言っても間違いではないはずだ。

筆者が乗っているXVというSUVはスバル車としては突然変異的にしゃれた造形をしているが、スバル製SUVの中心的モデルであるフォレスターは「妙に切り立ったウインドウ」などを含め、どう考えても「おしゃれ」という概念の対極に位置している。

人間の女性に例えるならモンペ姿のようなもの……とまで言ったら言い過ぎだろうが、まあとにかく「パッと見でのわかりやすい魅力」には著しく欠けているのが、フォレスターに代表される典型的なスバルデザインだ。

年を取ったからこそ見えてくる、女性や車の「本質的魅力」

で、若い男という生物は、当然ながらモンペがとってもよく似合う女性よりはボディコン・ミニスカ等々が似合う女性とお付き合いしたいと考えるものなので、モンペ系女子やモンペ的な車はあまり眼中に入らない。そしてボディコン・ミニスカ的な(?)C-HR等々に代表される「わかりやすく派手にカッコいいデザイン」に引かれ、「付き合う」ことになる。

その結果として「あまりにもデザイン優先であるため斜め後方の視界がかなりイマイチ」という事態にハマったりもするのだが(女性で言えば、付き合ってみたら実はかなりめんどくさい女だったとか)、それでも「ま、モンペ的な車に乗るぐらいなら後ろが見えない車のほうがまだマシさ!」などとうそぶきながら、C-HR的造形のクルマや女性と付き合い続けるのが、若者という人種である。

筆者にもそんな時代はあった。だが年をとってくるとボディコン・ミニスカ的なものにはほとんど興味がなくなり(まあゼロではないけれど)、もっと「落ち着いた何か」を欲するようになってくる。

そうすると、見えてくるのだ。

「冴えない容姿の女子みたいなもの」と思っていたスバル フォレスターの内面に確かに存在する、「炊きたてコシヒカリおよびその他で構成される栄養満点朝ごはん」みたいな素晴らしい美点が。

ダサさと引き換えに安全を手に入れる「捨て身の戦法」

フォレスターの妙に切り立ったウインドウやでっかい窓ガラス、あるいは無骨に角張ったボディなどは「イマイチな容姿」の要因ではある。「もっとウインドウを寝かせたり、エッジ部分を流線型っぽくすりゃカッコよくなるのに」と思う。

だがそのダサさは0次安全、つまり猛烈に素晴らしい視界や見切りの良さのためであったことにあるとき気づく。そして「ダサさと引き換えに本当の安全と安心を手に入れる」という捨て身の戦法に、感動するのだ。さらには「カッコ優先の薄っぺらい姿勢より、むしろこっちのほうが本質的にはカッコいいんじゃね?」と言いたくなるのだ。

ハイテクデバイスを使わずとも斜め後方等がよ~く見えて、そして超絶優秀な車台がもたらす安定感と俊敏性が共存した走り=疲れにくい走りを有しているスバル製SUVの素晴らしさに気づいたとき、心から思う。

「表層的な容姿に過剰にこだわっていた自分はバカだった。いやバカだったというか、とにかく若かった」と。

筆者は中高年になってからやっとスバル車の(ある意味での)カッコよさに気づいた口だが、世の中には10代や20代にして早くも「SUBARU車の魅力」に気づいている男たちも多い。

そういった若年層に対しては「なかなかやりますね!」と尊敬すると同時に、「……若いのに老成しすぎじゃないですか? まずはC-HRとかに乗ってセイシュンを謳歌してくださいよ!」とも言いたくなるわけだが、まあ余計なお世話であろう。

いずれにせよ、SUBARUの車はSUVに限らず全般的に素晴らしい。多くの人がすでにその魅力をご存じだとは思うが、もしも未体験の人がいらっしゃったなら、ぜひこの週末にでも近隣のディーラーに行ってフォレスター等に試乗してみてほしい。

そうすれば、若者についてはわからないが、ある程度以上の年齢の人であれば、筆者がここで言っていることは「あ、なるほど」と、すぐにおわかりいただけるはずだ。

[ライター/伊達軍曹]